僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング 感想

劇場版ネタバレに次ぐジャンプ本誌ネタバレ、からの公式ネタバレ。

 

 

ヒロアカ劇場版・第二作を観に行ったのだが正直微妙と言わざるをえない出来だった。

誤解しないでほしいが『僕のヒーローアカデミア』という漫画はめちゃめちゃ好き、"今回の劇場版"が微妙だったという話。

展開としては熱かったしテレビアニメでも作画が安定してて予算もちゃんとあるであろう作品の劇場版だしちゃんとしてるとこはちゃんとしてたのだが気になる点が大き過ぎた。

とりあえず大きくダメじゃねと思った点が2つ。

 

①公式ネタバレの嵐

自分もネタバレ気にせずTLに呟きたいことを放流する方なので人のこと言えないわけだが「それ公式でやってええんか?」って話が山ほどあった。

まず冒頭からいきなり爆豪、轟の仮免取得が済んでいることがわかる。

この時点で現在放送中のテレビアニメよりは時系列が先であることが確定。

さらに劇中で緑谷がなんの脈絡もなくエアフォースを使用し完全な無反動とはいかないもののフルカウル20%をある程度コントロールしている。

エアフォースは死穢八斎會編のクライマックスであるオーバーホール戦で壊理ちゃんの力を借りて100%を引き出した後、オールマイトにヒントを貰ったうえ発目にアイテムを依頼する(ジェントル戦という大事な行程をたくさん踏んで完成に至っているわけなのだが、その行程を全てすっ飛ばした挙句それをアニメ勢も見にくるであろうタイミングで劇場版ぶっぱである。

そんなんありなんか?

さらに細かいところではあるが轟が戦闘中に赫灼のメカニズムを氷結の方に転用する描写がある。

赫灼はエンデヴァーのインターンでの習得になるのでアニメ、単行本どころかまさかのジャンプ本誌最新話より時系列が先ということになる。

もう一度言うが放送中のテレビアニメは死穢八斎會編の途中である。

割と無茶苦茶してる。

ていうかED終わった後4つ隣に座ってたお兄さんが「は?どういうこと?デクいつから20%使えるようになったん?時系列どうなってんの?」って言ってたし少なくともアニメ勢は完全に置いてけぼりを食らっているはず。

 

②ワン・フォー・オールの扱い

1番気になったというかこれだけで色々台無しだろと思った。

これも公式ネタバレの範疇になるが先代(オールマイトの師匠である志村菜奈よりも前の人達)の顔めちゃくちゃ出してた。

で、劇場版オリジナルのボスが緑谷&爆豪タッグでもボコボコにされるレベルだったので最終手段として「かっちゃんにワン・フォー・オール譲渡してみた」をやる。

要するに勝てないからワン・フォー・オール×爆破+ワン・フォー・オールの残り火でボコそうって発想である。

は?

ダメでしょ、そんなことするくらいなら無理にでもミリオに渡しとけばナイトアイは死ななかったかもしれないだろうがってなる。

しかもそのあと緑谷にワン・フォー・オール本体が残っててオールマイトが「奇跡」の一言で片付ける。

は?

ジャンプに御都合主義が付き物なのは分かるけどあまりにも脈絡がない。

伏線に伏線を重ねて1ピース欠ければ即敗北につながるようないろんなものの積み重ねのうえに成り立った勝利を「奇跡」と呼んだりする展開は非常に熱いがマジでただ話を無理矢理修正するためだけに「奇跡」という便利な言葉を使った感が丸出しで流石に冷めた。

原作レイプの部類だと思う。

 

 

 

劇場版一作目は夏休みの最初というそこにねじ込むの無理がないか?というような隙間に、今回はだいぶ未来を描き寄ってきたテレビアニメ勢にも突きつけるというハチャメチャプレイングをしている。

原作のストーリーがかなり過密日程で進行している部分はあるのだが擦り合わせが流石に下手過ぎないかと素人目でもそう思っちゃうわけですよ。

 

いいところはぶっちゃけ原作での出番が地味目な尾白、瀬呂を筆頭に1-Aのみんなに活躍の機会があったところ。

劇場版一作目は尺の都合かタワーっていう舞台の都合かほぼ完全にお休み扱いされてた子もいたし。